top of page

2018年5月19日(土)午後2時〜

​ストリート  おんじょう

​路傍の音声たち

​音楽家 土取 利行

 今、日本のストリートに精神的な音、音楽的な声が消えて久しい。路傍の音声たちはなぜ失われたのか。

 

 音楽家、土取利行は、1970年代に前衛ジャズシーンに登場して以来、ニューヨークやパリを拠点に、世界各地の民族音楽を渉猟し続けてきた。その旅の一部は、半自伝『螺旋の腕』(筑摩書房)に綴られているが、その後も弥生・縄文・旧石器時代の音へのオマージュである「古代音楽プロジェクト」、明治大正期のストリートミュージシャンである演歌師たちの三味線弾き唄い「邦楽番外地シリーズ」など、この列島の路傍に置き去りになり、あるいは埋蔵された音声たちを鮮烈な演奏で蘇らせてきた。

 

 今回は土取利行の幼年期に培われた感性と、音楽家の体に残響する無数の音声に耳を澄ますことで、日本のストリートについて共に考える。路傍の音声は一体どこから聞こえてくるのだろうか。

※トーク後にデモンストレーション予定

  (土取利行による三味線弾き唄い)

土取利行(つちとりとしゆき)

 

70年代よりフリージャズドラマーとして活躍。75年渡米し即興演奏のパイオニア達と演奏を重ねる。76年よりピーター・ブルック国際劇団の演奏家・音楽監督をつとめる他、アフリカやアジアに民族音楽や芸能の調査に出かけ多くの民族楽器、歌唱法を習得。87年桃山晴衣と岐阜県郡上八幡に芸能堂「立光学舎」を設立し、数々の国際的なプロデュース公演を企画・出演。また「銅鐸」「サヌカイト」「縄文鼓」など日本の古代音楽の研究・演奏を手がける。桃山晴衣の逝去後、彼女が取り組んで来た日本の唄の再生を試みるべく、三味線を手に添田唖蝉坊・知道演歌に取り組み、明治大正演歌CD3部作を発表。ピーター・ブルック演出「バトルフィールド」世界ツアーを終え、6月5日「バウルの響き」郡上八幡公演にゲスト出演予定。

bottom of page