花に耳あり

〜櫻にまつわる不思議な私的体験について〜

これまで華道家としての20年の道行きで沢山の花をいけてきました。

とりわけ櫻は思い入れのある花です。

職業柄、いつも花と心を通わせたいと願いながら花をいけるのですが、

時折その願いが叶う瞬間があります。

それはとても美しく、また恐ろしい瞬間でもあります。

今回は私が櫻と心が通ったと思った瞬間の体験談を交えながら、

いけばなをするとは如何様な行為なのか?という問いを、淡墨桜が近いこの場所で

聴衆のみなさんと深めれればと思います。

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photos by KATAGIRI, Atsunobu

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片桐功敦 (KATAGIRI, Atsunobu)

1973年大阪生まれ。華道家。1997年、24歳で大阪府堺市に続くいけなば流派、花道みささぎ流の家元を襲名。片桐のいけなばのスタイルは伝統から現代美術的なアプローチまで幅広く異分野の作家とのコラボレーションも多数。小さな野草から、長年のテーマでもある桜を用いた大規模ないけばな作品まで、その作品群はいけばなが源流として持つ「アニミズム」的な側面を掘り下げ、花を通して空間を生み出している。2013年より文化庁助成事業「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」の招聘作家として福島県南相馬市に長期滞在して多数のいけばな作品を制作。その成果が「Sacrifice~未来に捧ぐ、再生のいけばな~ 青幻舎刊」として上梓された。