
ENSHA
Coffee, Books and Gallery

私たちが愛してやまないふるさとのような場所、
それが縁舎。
揖斐川町谷汲長瀬にあるこのカフェを舞台に、
詩と音楽と旅の話による小さなフェスを開催します。
ー 管啓次郎 ー
詩 と 歌 と
土 地 の 語 り
縁 舎 巡 礼
2025年11月1日(土)
13:00~18:00(12:30開場)
photo by Fujimi Kawase
出演者プロフィール
Artists Profiles
新井 高子
あらい・たかこ
詩人。群馬県桐生市で織物工場を営む家に生まれる。詩集に『タマシイ・ダンス』(未知谷、第41回小熊
秀雄賞)、『べットと織機』(未知谷)。英訳詩集に『Factory Girls』(Edited by Jeffrey Angles,Action Books, 第1回Sarah Maguire Prize最終候補)等。戯曲評論に『唐十郎のせりふ――二〇〇〇年代戯曲をひらく」(幻戯書房、第32回吉田秀和賞)。震災後、啄木短歌を岩手県大船渡市の土地ことばに訳す企画を立ち上げ、編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』(未來社)刊行。その発展で、映画『東北おんばのうた――つなみの浜辺で』(監督・鈴木余位、山形国際ドキュメンクリー映画祭2021アジア千波万波部門入選)を企画制作。アイオワ大学国際創作プログラム2019招待参加。国際詩祭でも活躍。詩誌「ミて」編集人。埼玉大学教授。最新詩集は『おしらこさま綺聞』(幻戯書房、第6回大岡信賞)。

大洞 敦史
だいどう・あつし
作家・翻訳家。東京出身。名古屋での7年間の生活と放送大学を経て、明治大学大学院理工学研究科(管啓次郎研究室)修了。在学中に三線を習い、2012年台湾・台南市へ移住。日本語塾勤務、そば屋経営後、現在は日台観光ガイド、翻訳、演奏会を柱に、講演、通訳、そば打ち体験会、中国語レッスン、旅行手配、運転手、台湾服オーダーメイド代行など、何でも屋としてあくせくと働いている。単著『台湾環島 南風のスケッチ』(書肆侃侃房)、『遊步台南』(皇冠)、共著『仕事本』(左右社)、『旅する台湾 屏東』(ウェッジ)、訳書に陳耀昌『フォルモサに吹く風』(東方書店)、湛藍『君の心に刻んだ名前』(幻冬舎)、康鍩錫『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』(Two Virgins)、陳世憲『竹田因縁』(在人文創)。今後も長編歴史小説や漫画など訳書4冊を刊行予定。台南市日本人協会副理事長、台南市解説員発展協会顧問。

渋谷 敦志
しぶや・あつし
写真家、明治大学総合芸術系博士前期課程在籍。大学在学中に1年間、ブラジル・サンパウロの法律事務所で働きながら本格的に写真を撮り始める。立命館大学産業社会学部を卒業した後、ホームレス問題を取材したルポで、国境なき医師団日本主催1999年MSF フォトジャーナリスト賞を受賞。英国London Collegeof Printingでフォトジャーナリズムを学ぶ。これまで訪れた国は110ヵ国ほど。現在、朝日新聞とゲーツ財団のパートナーシップで運営する「with Planet」のリポーターとして取材活動を展開。著書に『能登を、結ぶ。』(ulus publishing)、『僕らが学校に行く理由』(ポプラ社)、『今日という日を摘み取れ』(サウダージ・ブックス)、『まなざしが出会う場所へ——越境する写真家として生きる』(新泉社)、『回帰するブラジル』(瀬戸内人)、共著に『みんなたいせつ——世界人権宣言の絵本』(岩崎書店)などがある。2021年、笹本恒子写真賞を受賞。

管 啓次郎
すが・けいじろう
詩人、明治大学総合芸術系教授。フェリシモ復刊リクエスト企画による『数と夕方』(左右社)につづき初期詩集4冊を合本にした『Agend’Ars (Complete)』が発売されたばかり(いずれも左右社)。もともと『コロンブスの犬』(河出文庫)から『斜線の旅』(インスクリプト、読売文学賞)にいたる批判的紀行文を多く書いていたが、2010年以降は詩を制作の中心にしている。これまでに20か国以上の詩祭や大学で、日英仏西語による招待朗読を行ってきた。2011年の東日本大震災をきっかけに古川日出男、小島敬太、柴田元幸とともに朗読劇『銀河鉄道の夜』を制作、日本各地で上演。2013年、演出家・高山明の依頼により「東京ヘテロトピア」のためのテクストを執筆、以後世界各地でのヘテロトピア・プロジェクトのために書いたフィクションを集めたのが『ヘテロトピア集』(コトニ社)。『本は読めないものだから心配するな』(ちくま文庫)ほかの読書論もよく読まれている。

関島 種彦
せきじま・たねひこ
〈フォークロア音楽、私たちの歌とは何か?〉をテーマにフリーのミュージシャンとして東京を中心に活動。ライブスペースでの演奏の他、文化村シアターコクーンの舞台「24番地の桜の園」(演出: 串田和美)や、劇団呼応計画「日の底の野営地」(演出: 池内文平)、映画「マミー」(監督: 二村真弘)、青山学院大学の朗読劇「四人目の博士」(演出: 高橋克典)等、芝居や映画の音楽も手掛ける。 最新の舞台劇伴は2025年12月に行われる予定の劇団発見の会「大正てんやわんや」。 また、フォークロアとジャズやクラシックを織り交ぜた『Ensemble Poezia』という5人編成グループを主宰し、固定観念に捉われない幅広い視点で音楽の可能性や在り方を模索している。

小島 敬太
こじま・けいた
音楽家・作家・翻訳家。明治大学総合芸術系博士前期課程在籍。早稲田大学第一文学部卒業。シンガーソングライター「小島ケイタニーラブ」として、NHKみんなのうた「毛布の日」などを制作。2011年から古川日出男・管啓次郎・柴田元幸とともに朗読劇「銀河鉄道の夜」の活動を始め、出演および音楽監督を務める。2022年、同朗読劇
が宮沢賢治賞奨励賞を受賞。著書に『こちら、苦手レスキューQQQ!』(絵・木下ようすけ、白水社)、『あくびなかまとはらっぱで』(絵・鬼頭祈、偕成社)、『サーミランドの宮沢賢治』(管啓次郎との共著、白水社)など。訳書に『中国・アメリカ 謎SF』(柴田元幸との共編訳、白水社)、中国の児童文学「紫禁城の秘密のともだち」シリーズ(作・常怡、絵・おきたもも、偕成社)がある。東京新聞・中日新聞の書評コーナー〈海外文学の森へ〉、K-MIX(静岡エフエム)のラジオ番組〈魔法の国の児童文学〉を担当。

ながつか ゆうか
画家。明治大学総合芸術系博士前期課程在籍。2022年に明治大学物理学科卒業後、アニメーション背景美術の世界へ進み、『ワンピース』や劇場版『プリキュア』、『ダイの大冒険』などの作品の背景画を手がける。2023年より画家として独立し、現在は国内各地で個展を開催。海外での活動としてはタンザニアやフィリピンで壁画を制作し、地域と風景に呼応する活動を展開している。また絵本やライブペインティングなどさまざまな形で作品を発表。主にアクリル絵の具を用いてキャンバスに、自然をテーマとした風景や野生動物を、現実と空想のあいだで描き続けている。

伊藤 岳
いとう・がく
鉄鋼会社勤務、入社以来29年間輸出業務に従事し現在は大阪勤務。世界市場の潮流を見極め北米、中米、欧州、中東、アジア各地を歴訪し市場拡大した。近年地球温暖化防止の観点からリサイクルスチールの有効性が注目されたため講演依頼が増え、パース、モスクワ、イスタンブール他アジア各地で登壇した。出張や旅行のかたわら語学学習に勤しみ、英語のほか中国語、フランス語、スペイン語の知識を得る。現在は本場大阪で韓国朝鮮語を再開した。折よくハン・ガンがノーベル文学賞受賞し読書会で原書かたわらに全小説作品読了。韓国語教育の権威、野間秀樹教授の『ハングルの誕生』出版記念イベントを書店B&Bに
て企画、主催。娘の大学入学の折には立教大学ラテンアメリカ研究所において文学講座を4年間受講。2015年オバマ政権時にキューバを訪問。米国影響下にない最後の姿を見届けた。インド各地のスパイス料理作りが趣味で自宅にはスパイス、豆類20種以上常備し週末には家族に振る舞う。

MJP Aco.
平野昇 ひらの・のぼる
山口暢子 やまぐち・まさこ
平野昇 建築家。大江宏と陣内秀信に師事し、建築史を学ぶ。大江氏には和の心、陣内氏には都市と建築に埋蔵された歴史的価値の重要性を学ぶ。また、旧友・管啓次郎とアメリカ大陸、ハワイなどを旅して、文化の多様性を知る。15年前、MJPの朋友Madonna Jacksonと出会い、Michaelの音楽の奥深さを知り、それをみなさんと共有すべく、全曲制覇達成をめざして、バンドおよびデュオにて演奏活動を続けている。
山口暢子 北海道大学工学部応用物理学科卒。(株)東芝で、MRIの設計開発に携わる。退職し主婦業に専念。2009年6月マイケルジャクソンの訃報に触れ、彼の曲を歌うことを決意。2010年MJPパートナーである平野氏と出会い、細々と音楽活動を始めた。人生を賭けた目標を「マイケルジャクソン(ソロになってからの)全曲制覇」に設定。稀有なるご縁に導かれ、バンドメンバー、ダンサーと共に2023年10月「THIS IS IT」、2025年10月「OFF THE WALL」アルバムコンプリートライブ完了。さらに、ギターボーカルデュオMJP Aco.でもマイケルの世界観を追求中。

前林 明次
まえばやし・あきつぐ
アーティスト、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授。聴覚を通じて身体・環境・技術の関係を問い直す作品制作をおこなっている。1997年《AUDIBLE DISTANCE》でICCビエンナーレ準グランプリを受賞し、以後《Sonic Interface》(1999〜)など都市空間の聴覚体験を変容させる作品を国内外で展開し、アルス・エレクトロニカなどでも紹介された。2011年には新宿・歌舞伎町にコンテナを設置し、都市の喧騒の中で観客が眠る《Container for Dreaming》を展示した。2013年の《103.1 dB》では沖縄の基地騒音をVRで再構成し、本土において再現する試みをおこなった。2017年《場所をつくる旅》では明治期の山本芳翠の絵画に沖縄の音を重ね、歴史と現在を交錯させた。2024年《AR朝鮮人追悼碑》では群馬の森で撤去された朝鮮人追悼碑をARで再現した。フィールド録音や立体音響、VR/AR技術を駆使し、音と記憶を媒介に「場所」の可能性を切り開いている。

kawole
南米のルーツ・ミュージックを求めてペルー、ボリビア、アルゼンチンをフィールドワーク、各地の先住民音楽家と交流。北部アルゼンチン/アンデス地域の伝承歌カント・コン・カーハと大地神パチャママの聖地アマイチャ・デル・ヴァジェでバグワレーラ(自然を讃え歌う即興歌の歌い手)と出会い、古代ドラム、カーハを日本に持ち帰る。ブエノスアイレスにて音楽学者でカント・コン・カーハ研究者ミリアム・ガルシア氏より、人間と宇宙万物や天地自然との調和、先祖/土地とのつながりについて、伝承歌から「記憶の復興」をもたらす声について学ぶ。2020年より一般の人びとが再び自然と共に歌う輪を再興すべく歌の教室を開講。 2024年日本初のカント・コン・カーハ冊子「歌う宇宙」制作。 また2022年には日本全国74人の人びとの声をフィールドレコーディングで集めた宮沢賢治オマージュ"声の星座"絵巻「SOUND ART BOOK銀河ノコモリウタ」制作。現在は奈良での農作業、神戸で歌の復興活動等、二拠点で次世代へと繋ぐための実践を深めている。この日は歌のクラスで学んでくださっている方々も交えながらの歌。

川瀬 慈
かわせ・いつし
映像人類学者、詩人。国立民族学博物館・総合研究大学院大学教授。エチオピア北部高原の楽師や吟遊詩人の研究に基づき、民族誌映画を制作。主著に『ストリートの精霊たち』(世界思想社、二〇一八年、第六回鉄犬ヘテロトピア文学賞)、『エチオピア高原の吟遊詩人 うたに生きる者たち』(音楽之友社、二〇二〇年、第四三回サントリー学芸賞、第一一回梅棹忠夫・山と探検文学賞)、『叡智の鳥』(Tombac/インスクリプト、二〇二一年)。『見晴らしのよい時間』(二〇二四年)、『エチオジャズへの蛇行』(音楽之友社、二〇二四年)。国際オンラインジャーナル TRAJECTORIAを二〇一九年に創設。客員・招聘教授としてハンブルグ大学、ブレーメン大学、山東大学、アジスアベバ大学等で教鞭をとる。二〇二四年に職場にて特別展『吟遊詩人の世界』を企画・実行。https://www.itsushikawase.com/japanese/

マッスん
岐阜出身。2001年頃より、HIPHOPダンスチームDOPEFRESHで活動。2004年頃より、ソロ、多方面のアーティストとのセッション、バンドでの活動が主となる。(縄文時代、kong-tong)また、敬愛するミュージシャンとの即興セッションは、数々の疑問符と賛否両論を観客に投げかけてきた。以下、共演アーティスト:タートルアイランド、近藤等則、VarnaGhita、OBRIGARRD、cro-magnon、栗城史多(登山家)あらかじめ決められた恋人たち、etc...また、近年では、天然肉体詩人 ふじえだむしまる、率いる舞踏集団「The Physical Poets」に、不定期に参加。2018年からは、演芸の分野にも足を踏み入れ、boylesque(burlesqueの男版)に挑戦。2019年、吉本興業主催、「Butterfly東京」にスペシャルゲストとして出演。2022年、11月、LosAngels にてKentaro Kameyama produce オペラ作品「Doujouji」に出演。翌日、全米随一のアートスクールIdill wild art academy にてマスタークラスを指南。同年12月、ダンサー/振付演出家の、やまだしげきと立ち上げたコンテンポラリーダンスカンパニー「MARGINALEREA」旗揚げホール公演「Proof of the man」を成功させる。アングラからハイカルチャーまで様々な文化圏を縦横無尽に踊り歩き続ける稀有なダンサー。

いまを まこと
美術と音楽のあいだを行き来するアーティスト。
2才よりピアノを始める。幼稚園の厳格な鼓笛隊で大太鼓を経験。小・中学校ではピアノ伴奏・指揮・合唱編曲など活躍。岐阜県立加納高校美術科に進学、また吹奏楽部でパーカッションを担当。愛知県立芸術大学彫刻科で学び、大学3年時より音楽活動を複数開始。これまでにバンド、ユニット、不定形な集団など結成・参加音楽多数、用いる楽器は太鼓や打楽器が中心。つくることのできる強みと、生来の音感、イメージがわいたものを具現化できる力を活かし、「個々」から出てくる「何か」そのもの、またそれ同士のコミュニケーション方法を探るべく、デザインからセッションまで様々な表現手段を用いる。現在、池田町障害福祉サービス事業所「ふれ愛の家」美術・音楽講師。竹楽器自作自演「竹竹バンブー楽団」管理人。等
